いちょう葉~医療専門家向け

イチョウ葉 高純度エキス (120mg/カプセル)

化学組成

イチョウ葉エキスには、以下の成分が含有されている:

フラボノール、フラボン酸配糖体、ラクトン誘導体 (ギンコリド)、ビロバリド、アスコルビン酸、カテキン、鉄ベースのスーパーオキシド、6-ヒドロキシキヌレン酸、プロトカテク酸、シキミ酸、ステロール、バニリン酸。

主な有効成分は、ギンコリド、ビロバリド (テルペンとも呼ばれる)およびフラボン類である。

イチョウの葉には、毒性を発揮する可能性のある成分が含まれている:

ギンコトキシン (4-O-メトキシピリジン)。

この物質は、抗ビタミンB6 活性を有しており、GABAの形成を阻害する。
その結果、痙攣や意識喪失が生じることがある。

イチョウの木の根には、有効成分が大量に含まれている。
市販品の製造では、イチョウの葉から有効成分が抽出される。

イチョウ葉エキス抽出方法

イチョウ葉からフラボノイド類を抽出する方法としては、液体-液体抽出法および吸着方法の二つがあった。

通常、最初にエタノールで3時間還流させて、粗イチョウ葉エキスを得る。

その後、脱イオン水に溶解させ、遠心し、粗エキスを得る。

これに対して、イチョウ葉高純度エキス末では、最新の「流動層吸着法」を採用しており、不純物が殆ど含まれない、高純度の製品の製造が可能となっている。

以下にこれまでの製造方法と「流動層吸着法」の相違を示す。

製造方法 説明
液体-液体抽出法 酢酸エチルを用いて抽出。純度は25.4-31.0%、濃度:16-18%。
球状吸着材法 アンバーライトを吸着材として使用。純度:25%、濃度:50-80%。
流動層吸着法 40%エタノールで不純物を溶出。これにより96%の不純物が除去される。
続いて90%のエタノールにて溶出することで、残りの不純物が完全に除去される(純度:100%)。
この方法では、カラム内の74%のフラボノイドが回収される。

作用機序

イチョウ葉に含まれる各化学成分には、それぞれ薬理学的活性が示されているが、各成分が相乗的に作用することで、痴呆症の患者における組織変性の進行を予防する。

また、イチョウ葉エキスは、身体の血流を改善する。

さらには、プロスタサイクリンとトロンボキサンA1の不均衡を解消させることで、血管の調整機能が改善する。

血管収縮および静脈の緊張の回復は、ホスホジエステラーゼ抑制およびカテコラミンの放出によると考えられている。

アルツハイマー病におけるイチョウの葉の有益な効果は、βアミロイドペプチドによる毒性や細胞死の抑制に起因すると考えられている。

イチョウの葉エキスは、モノアミンオキシダーゼAおよびBを抑制し、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ (アドレナリントランスミッターを分解する酵素も抑制し、さらには、脳のアルファアドレナリン受容体数を増大させることが示されている。

なお、受容体数は加齢とともに減少する。

イチョウ葉エキスのその他の機序として、以下がある:

ベンゾジアゼピン受容体に対する影響、グルココルチコイド生合成の低下、および糖負荷に対する膵臓ベータ細胞機能の亢進など。

ギンコリドおよびビロバリド フラボノイド
  1. 以下の機序で、脳血流を増加させ、脳の低酸素状態を改善
    • 動脈の血管拡張
    • プロスタグランジン生合成刺激
    • ノルエピネフリンの間接的な刺激
  2. 脳代謝の改善
  3. 脳水腫の防止
  4. 血小板活性化因子の抑制
  1. 以下の機序で、脳虚血障害の防止
    • 毛細血管の脆弱性の減少
    • 血管粘稠性の低下
    • 赤血球凝集の低下
    • 赤血球流動性の亢進
  2. 抗酸化作用およびフリーラジカル捕捉性質

海外承認状況

ドイツのモノグラフEでは、以下の病気・状態が承認されている:

記憶障害の症状改善、注意欠如の改善、脳の機能性疾患に起因するうつ病。

  1. 脳の器質障害に起因する以下の各種症状:記憶障害、集中力欠如、うつ病の状態、傾眠、耳鳴り、頭痛。
  2. 主な対象疾患は認知性症候群で、原発性変性性痴呆症、血管性痴呆症、および混合型が含まれる。

    備考:イチョウの葉の使用開始前に、該当する病的状態が他の病気に起因(続発症)していないことを確認すること。

  3. ステージIIの末梢性閉塞性動脈疾患における無痛歩行距離の改善:病気と症状を組み合わせたフォンテイン分類 (間欠性跛行)による。
  4. めまいおよび耳鳴り:血管性および退行性原因。

世界保健機構では、モノグラフEでの承認の追認に加えて、以下を追加している(WHO, 1999):

  1. レイノー病 (原因不明の血流障害のために、四肢の着色が不均一となる)
  2. 肢端[先端]チアノーゼ (i.e., 肢端紫藍症: 手および時として足への血流が持続的に不良となる状態。その結果、冷感、チアノーゼ、そして汗をかいた状態となる)
  3. 後静脈炎症候群 (疼痛を伴う静脈の腫脹)。

各国/地域における使用実態

ドイツ 米国 中国
脳循環不全症または痴呆症
以下の症候群:
  • 不安
  • 集中力欠如
  • 記憶障害
  • 耳鳴り
  • めまい
  • フォンティンステージIIの間欠性跛行
  • 脳および末梢の循環改善
  • 喘息
  • 脳の外傷
  • 循環器系疾患
  • 集中低下
  • うつ病
  • 糖尿病
  • 眼疾患
  • 頭痛
  • 聴力障害
  • 記憶障害
  • 多発性硬化症
  • レイノー病
  • 耳鳴り
  • 静脈瘤
  • めまい
  • 喘息
  • 気管支炎
  • がん
  • うっ血
  • 疲労
  • 聴力障害
  • 循環不全
  • 性病

関連論文

  1. Bettermann, K., Arnold, A. M., Williamson, J., Rapp, S., Sink, K., Toole, J. F., Carlson, M. C., Yasar, S., Dekosky, S., and Burke, G. L. Statins, risk of dementia, and cognitive function: secondary analysis of the ginkgo evaluation of memory study. J Stroke Cerebrovasc.Dis 2012;21(6):436-444.
  2. Dardano, A., Ballardin, M., Caraccio, N., Boni, G., Traino, C., Mariani, G., Ferdeghini, M., Barale, R., and Monzani, F. The effect of Ginkgo biloba extract on genotoxic damage in patients with differentiated thyroid carcinoma receiving thyroid remnant ablation with iodine-131. Thyroid 2012;22(3):318-324.
  3. Han, S. S., Nam, E. C., Won, J. Y., Lee, K. U., Chun, W., Choi, H. K., and Levine, R. A. Clonazepam quiets tinnitus: a randomised crossover study with Ginkgo biloba. J Neurol.Neurosurg.Psychiatry 2012;83(8):821-827.
  4. Herrschaft, H., Nacu, A., Likhachev, S., Sholomov, I., Hoerr, R., and Schlaefke, S. Ginkgo biloba extract EGb 761 in dementia with neuropsychiatric features: a randomised, placebo-controlled trial to confirm the efficacy and safety of a daily dose of 240 mg. J Psychiatr.Res 2012;46(6):716-723.
  5. Ihl, R., Tribanek, M., and Bachinskaya, N. Efficacy and tolerability of a once daily formulation of Ginkgo biloba extract EGb 761 in Alzheimer's disease and vascular dementia: results from a randomised controlled trial. Pharmacopsychiatry 2012;45(2):41-46.
  6. Laws, K. R., Sweetnam, H., and Kondel, T. K. Is Ginkgo biloba a cognitive enhancer in healthy individuals? A meta-analysis. Hum.Psychopharmacol. 2012;27(6):527-533.
  7. Lee, J., Sohn, S. W., and Kee, C. Effect of Ginkgo biloba Extract on Visual Field Progression in Normal Tension Glaucoma. J Glaucoma. 5-16-2012;
  8. Vellas, B., Coley, N., Ousset, P. J., Berrut, G., Dartigues, J. F., Dubois, B., Grandjean, H., Pasquier, F., Piette, F., Robert, P., Touchon, J., Garnier, P., Mathiex-Fortunet, H., and Andrieu, S. Long-term use of standardised Ginkgo biloba extract for the prevention of Alzheimer's disease: a randomised placebo-controlled trial. Lancet Neurol. 2012;11(10):851-859.
  9. Yasar, S., Lin, F. M., Fried, L. P., Kawas, C. H., Sink, K. M., DeKosky, S. T., and Carlson, M. C. Diuretic use is associated with better learning and memory in older adults in the Ginkgo Evaluation of Memory Study. Alzheimers.Dement. 2012;8(3):188-195.
  10. Zadoyan, G., Rokitta, D., Klement, S., Dienel, A., Hoerr, R., Gramatte, T., and Fuhr, U. Effect of Ginkgo biloba special extract EGb 761 on human cytochrome P450 activity: a cocktail interaction study in healthy volunteers. Eur J Clin Pharmacol 2012;68(5):553-560.
  11. Zhang, S. J. and Xue, Z. Y. Effect of Western medicine therapy assisted by Ginkgo biloba tablet on vascular cognitive impairment of none dementia. Asian Pac.J Trop.Med 2012;5(8):661-664.

ページの先頭へ